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ガストロノミーは、高級料理のことではない。
Issue Vol. 2 —都市のフードシステムと「つながり」の喪失 1. 商品化される食と、人間的なつながりの喪失 食は「人権」であり、誰もが尊厳をもってアクセスできるべきものである。 しかし現代社会において、食は単なる「商品」として扱われている。 かつては、おばあちゃんや地域の人たちから、日々の暮らしの中で自然に受け継がれていた生活の知恵があった。旬の食材の美味しい食べ方、保存の仕方、食材を無駄にしない方法、そしてその日にあったことを話しながら夕飯を一緒に食べることの大切さ。 食は単なる栄養補給ではない。 人との関係を作り、文化を世代を超えて受け継ぎ、地域や季節を感じるための媒介でもある。つまり食は本来、社会全体で支えるべき、多面的で公共的な性質を持っている。 出典:Vivero-Pol(2017)をもとに、授業資料より再構成 しかし新自由主義の下では、食は「どれだけ利益を生み出せるか」という尺度で語られるようになり、本来共有されていた知識や営みは、お金を支払ってサービスや商品として購入するものへと変化していった。質の高い食へのアクセスは
読了時間: 7分


なぜ今、私たちは再び「酸味」を求めているのか。
LOST IN TRANSLATION: LIFE OF A JAPANESE GIRL IN ITALY 菌の世界は、ある意味とてもシンプルだ。 微生物もまた、私たちと同じように「食べて」いる。糖を食べて、身体を動かすためのエネルギーへ変換する。そして私たち人間は、その代謝の副産物を食べているのである。イタリアで暮らし始めてから、私はそんな微生物の世界を以前より強く意識するようになった。 乳酸菌。ミルクに含まれる乳糖を食べて、乳酸をつくる。得意技は凝固で、牛乳のタンパク質を、自分の作った酸の力でキュッと固めること。 ある日、エクアドル出身のクラスメイトに、スーパーで売っている牛乳と少量のヨーグルトから簡単にヨーグルトを増やせると教わった。しかも彼女は、牛乳やヤギミルク、ギリシャヨーグルトを組み合わせて、自分好みの味にしているらしい。 一見簡単そうだったので、私もやってみた。しかし見事に失敗した。原因は、牛乳を温めすぎてしまったことだった。彼女は「鍋に指を入れても何も感じないくらい」、つまり人肌程度が理想だと言っていたのに、その時の私は菌が活動で
読了時間: 6分


「オーガニック」の意味が変わる?―再生型農業とのせめぎ合いが生む、新しい食の価値観―
ヨーロッパで「オーガニック(有機)」の意味が揺らいでいる。再生型農業との競争、生活費高騰による“高級志向”化、健康志向とのすれ違い——いま食の信頼をどう守るのか。有機のこれからを考える2025年の最新動向を解説。
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