英国でゲノム編集作物の「表示なし」販売へ
- ryoo31
- 10月20日
- 読了時間: 2分
消費者の知る権利めぐり波紋広がる
イギリスで、食品のルールが大きく変わろうとしている。この秋から施行される「遺伝子技術(精密育種)規則2025」により、ゲノム編集で作られた作物は「遺伝子組み換え(GMO)」とは別の扱いとなり、これまで義務づけられていた表示や厳しい審査が不要になる。
「科学の自由化」と政府は強調
政府はこの新制度を「科学の進歩を妨げないための前向きな改革」と説明する。ゲノム編集によって、病害に強く、農薬や肥料の使用を減らせる作物をこれまでよりも早く市場に出すことができるという。しかし、その「スピード」と「自由化」の裏で、食品の透明性が失われるのではないかという懸念が広がっている。

表示が消えることで失われる“選ぶ力”
新しい制度では、ゲノム編集を使ったかどうかを食品のラベルに表示する必要がなくなる。つまり、消費者は知らないうちに新しい技術を使った食品を口にする可能性がある。世論調査でも、「表示は必要」と答える人が多数を占めており、「知る権利」が奪われることへの不安が高まっている。
オーガニック業界にも打撃
問題は消費者だけではない。ゲノム編集作物には**トレーサビリティ(追跡管理)**の義務がなくなるため、GMOフリーを掲げる農家やメーカーは、他の作物との混入を防ぐのが難しくなる。「小規模な生産者ほど、信頼を守るのが難しくなる」という声も上がっており、オーガニック業界全体への影響が懸念される。

英国内でも意見が分かれる
食品や農業の規制は地域ごとに異なる。スコットランドとウェールズはEUの基準を維持し、ゲノム編集作物を従来どおりGMOとして扱っている。
しかし、「UK内部市場法」により、イングランドで合法的に販売された食品は、他の地域でも受け入れなければならない。この“規制のズレ”が新たな混乱を生み出している。
進歩と透明性、その両立はできるのか
新制度は、バイオテクノロジー業界にとって市場への道を早める追い風になるかもしれない。だがその一方で、食品への信頼と透明性を失うリスクもある。「便利さやスピードより、知って選ぶ安心をどう守るか」。イギリス社会はいま、その難しい問いに向き合っている。
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